「人型ロボットなのかもしれない、見たことないけど」














3時間目、英語。

目をこすりながらかろうじて欠伸はおさえ、ひらひらと舞うカーテンをじっと眺める。

毎日ただ過ぎてゆく時間が楽しいと思うわけでもなく、つまんねぇと思うわけでもなく。

淡々と、淡々と、ロボットのように過ごしてきた。

英語の授業で僕のためになる答えが見つかるわけでもなく。

ぺらぺらと得意げに英語を話す先生に関心するわけでもなく。

重くなる瞼、遅くなる瞬き。

そんな僕に誰も気付くわけでもなく。

先生は教科書を読み上げるだけで生徒には無関心。

この教室で、一人の生徒として、四十あるうちの一つの椅子に座る。

カーテンの中からちらちら見える空に、感動するわけでもなく。

さぼって屋上にいくわけでもなく。

うつぶせになって寝るわけでもなく。

ノートをとるわけでもなく。

ただ静かに、時が流れるのを待つ。

そういえば最近何に感動したっけ、と考えても。

当たり前に答えは見つからない。

成績がずば抜けて良いわけでも、悪いわけでもなく。

極端にぶさいくでも、かと言ってかっこよくもなく。

趣味はもちろんなく。

好きな子だっていない。

心がない人間なのかもしれない。




嗚呼、僕は何をしているのか。




と思うことは当然なく。

ただ、生きている。

いや、生きているというか存在しているのだ。

このまま空気になってしまってもおかしくない、影の薄さ。

漫画のように溶けてしまってもおかしくない、平凡さ。




嗚呼、僕は何をしているのか。




と思うことは全くなく。





時に、名前さえも忘れてしまうのである。














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