走るが勝ち







「走るが勝ち」















あ、そうだこの感じ。


空は、青かったんだ。


走ればいいんだ。

何も考えずに。

いや、好きな子でも思い出して。

ただひたすら。

コンクリートの道で、ちょっと花が咲いてる道で。

斜め45度くらいの坂で、ちょっとでこぼこの坂で。

大丈夫、きっと車は通らない。

小学生だって、野良犬だって、虫だって通らない。

走ればいいんだ。

きっと。

汗の匂いなんてふきとばしちまえよ。

この世は俺様のものなんだ、なんて変な勘違いしちまえよ。



な? 楽しいだろう?

な? なんかわくわくしてきただろう?



この世界は自分のためだけにあるわけじゃない。

だけど、一瞬そう思ったっていいだろ。

勘違いしたっていいだろ。

ちょっとした小石につまづいて、坂転げ落ちて。

へらへら笑ってまた走りだすんだ。

世界の、いや、宇宙のたった一つの小石で怪我しちまうんだ。

じゃぁ、宇宙のたった一つの俺は?

笑う、怒る、泣く、叫ぶ、寝る、遊ぶ、恋をする。

なんだってできる。

宇宙の一つだからこそ、できるもんがある。




なんだ、早く気付けばよかった。

俺は、俺であり、他の誰でもない。

そう、他の誰でもないんだ。

俺には俺の名前があり、体があり、心があるんだ。




何迷ってんだよ、そこの誰か知らねぇけどよ。

俺はあんたより一歩進んだぜ。


追いつきてぇんなら走ってみろよ。





今日も明日もずーっとずーっと。



空は、青いんだ。







































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