あたし的、運命論







「あたし的、運命論」














「もし、君が存在しなかったらあたしは存在しない。」

「うん。」

「君も、あたしが存在していなかったら存在しない。」

「うん。」

「わかる?」

「わかるよ。」

「今、この世界に存在している人が、今、このタイミングで存在している人が、ねぇ、聞いてる?」

「あぁ、聞いてるよ。」

「ちゃんと目を見て言って。」

「聞いてるよ。」

「この世界は偶然であって必然的にできてると思うんだ。」

「うん。」

「だってね、あたしはお母さんとお父さんが愛し合わなければ存在できなかった。

 お母さんたちが知り合ったころには、まだ影も形もなかったんだよ。

 結果的に、君とも出会えてないかもしれない。」

「うん。」

「そのお母さんとお父さんを存在させたのは、おじいちゃんとおばあちゃんでしょ。

 おじいちゃんとおばあちゃんも愛し合わなければ、あたしがこの世に存在する確立はこれっぽっちもない。」

「ああ。」

「愛し合う二人が、ね、出会うのもいろんな人との出会いがあったからでしょ。

 もし、そのとき、何かのタイミングが違ってたらこの世界はもっと違うものになってたと思うの。

 ほんのちょっとのタイミングでね。」

「君と僕が出会えたのも、タイミングがよかったから?」

「多分ね。あたしは運命を信じるから、運命の赤い糸だと思ってるけど・・・・・・笑うな。」

「僕も、運命の赤い糸だと思ってるよ。」

「嘘。」

「全ての歯車が噛み合ってなかったら、僕と君は出会うことができなかった。だろ?」

「うん、うん。」

「もし、それが本当に偶然的であったら、凄い確立だね。この世界には何億ってゆう人間が存在しているのに。」

「運命ってね、最初から決められてるのかなぁ。あたしの人生はもうシナリオができてるのかな。」

「さぁ、それはどうだろうね。でも、もしシナリオがすでにあったとしても、君はその話の流れや、終わりを知らないだろう?」

「うん。」

「だから、それは無いのと一緒だよ。君はシナリオに縛られていない。だって、それは君の目にはうつらない。」

「そうだね。もし、あたしの人生がもうすでに完成されたシナリオ通りに進んでたとしても、あたしがシナリオ通りに演じているわけじゃない。」

「そう。」

「もしかしたら、君と出会えたのもシナリオのおかげかもしれないけど、ね。」

「そうだね。僕はそのシナリオに感謝しなければいけないな。君が存在して、僕が存在して、君と僕は愛し合えたのだから。 」

「うん。たまには良いこと言うじゃない。」

「いつも。」

「とにかく、あたしたちは全てのものに感謝しなくちゃいけないのね。」

「あぁ、存在できるのは、ちっぽけな僕たちだけの力じゃないからね。」

「出会わなければよかったって思う人も、出会わなければいけなかった人なんだ。」

「そうだよ。だから、苦労や悲しみから目を背けてはならないんだ。いつ歯車が狂いだすかわからない。」

「そのあたしの歯車を止めてくれるのが、あなたの役目なんでしょ?」

「・・・・はい。おっしゃるとおりです。」

「んふふ。」




(愛しているよ)































 
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